マレーシアでのビジネスを行う個人事業や会社は、毎年3月31日までに 雇用主による従業員給与等の報告書 Form-E (Borang-E) を税務署への提出する必要があります。(休眠会社含む)
LHDN のオンライン申告内容変更に伴う改訂版はこちら。
⇒ Form E の記入と申告方法(オンライン改訂版)
2018年の フォームE (フォームe-E)の提出期限は、2018年3月31日迄です。
2016年度の Form-E の提出期限は、2017年4月30日までとなっております。2015年度の提出期限は2016年3月31日までになっておりましたが、オンライン e-Filing での申請については、2016年4月30日まで提出期限の延長されています。
Form-E (Borang-E) の提出は、一般的にはカンパニーセクレタリーやTAXエージェント、会計事務所の仕事ではありません。気の利いたローカルの会社秘書役(カンパニーセクレタリー)なら教えてくれますが、大抵の場合は知らせてくれる事はありません。業務内容は、どちらかと言うとTAXエージェントの業務になるのですが、別途料金が掛るため知らせてくれる事は少ないのです。
というのも、マレーシアでは、業者から売り込む押し売りの様なセールスは控える傾向にある事もあります。また、Form-E (Borang-E)の提出のタイミングで、初年度TAXエージェントと正式に契約が済んでいないというのもあるあかもしれませんが、初年度が過ぎた次の年からは、税務署から直接、申請用紙が郵送されて来るという背景もあります。
日系の会計事務所ですと、最初からサービス料金に含んでいるところも多いと思いますが、Form-E (Borang-E) の提出時に、色々と変更や別途手続き必要な場合は、追加料金が発生する場合もあると思います。変更や別途手続きが必要がない場合は、自分で手軽に申請できてしまうほど簡単です。
会計事務所やTAXエージェントに依頼するために書類を準備する手間を考えると、自分でやった方が手間が掛からず手軽だったりします。最近マレーシアの税務署は親身に対応してくれますし、意外かもしれませんが仕事も早い!業者のように責任逃れのサインのリクエストも無いのは好感が持てます。(もちろん、クアラルンプール周辺でお勧め税務署のブランチもありますが、まずは最寄りのところで。)
オンラインで Form-E (Borang-E) を申請するには、まずは、個人の納税者番号と e-filing にログインするためのPIN、そして会社の Employer No. (雇用者番号、通称Eナンバー) と Income TAX No. (納税番号、通称Cナンバー)が必要です。
オンラインでも申請できますが、2015年度の Form-E (Borang-E) の提出を考えている場合は、期限に間に間に合わせるために、最寄りのTAXオフィス(税務署)の窓口にて申請した方が良いかもしれません。全て窓口で簡単に取得できます。最近のマレーシアの税務署のサービス、すごく良くなっています。
また、会社のEmployer No. と Income TAX No. については、TAXエージェントにて、会計監査の業務に必要なため、大抵の場合は無料で取得してもらえます。時間に余裕がある時は、オンラインで登録取得するのも良いですね。
なお、 Form-E (Borang-E) をオンラインで提出する前に、下記の登録内容を先に確認した方が良いです。オンライン上での変更が必要な項目が会った場合などは、事前に変更しておいた方がスムーズに進める事ができます。準備ができたらマレーシアの税務署のWEBサイト、ezHASiL (https://ez.hasil.gov.my/CI/) から申請を行います。
なお、来年の2016年度の Form-E (Borang-E) の提出は、オンライン e-Filing の e-E にて申請のみとなると税務署よりアナウンスされています。
Contents
オンライン Form-E 提出のステップ
LHDN の e-filing にログイン
e-filing を利用するには個人のアカウントからログインする事になります。『No. Pengenalan (識別番号)』 に、LHDN (マレーシア内国歳入庁。いわゆる税務署とかTAXオフィス) に申請してあるパスポート番号を入力。
その下にある項目にある 『No. Pasport (パスポート番号)』を選択します。次に、南京錠のマークの部分にパスワードを入力し、右側のボタン『Hantar (送信)』をクリックします。なお、パスワードはPIN番号を入手した後、設定しておく必要があります。
オンライン・フォーム (e-Form)
左側の列の下の方にある『e-Borang (e-Form)』 をクリックして、オンラインフォーム提出の画面に移動します。
非個人
e-Borang (オンラインフォーム) のページの下にある Bukan Individu (非個人)の項目にある『e-E』を確認します。
オンライン・フォームE のアセスメント年度
『e-E』右側の『Tahun Taksiran (アセスメント年度)』から提出する年度を選択します。2015年度の Form E は、2016年に提出になります。
会社e-filing へのログイン
Jenis Borang (フォーム・タイプ)の項目に『e-E』が表示されている事を確認して、No. chukai pendapatan (INCOME TAX 番号)を入力します。『INCOME TAX No. (納税番号)』とありますが、正確には、通称Eナンバーと呼ばれる『Employer’s No. (雇用者番号)』になります。
ボックスの左側にEとありますので、Eに続く番号を入力します。または、その下にある『No. rujukan (No. pendaftaran)』に会社登録番号を入力します。アルファベットの前のハイフン(-)などの記号は入力しません。Eナンバーか会社登録番号のどちらか一方のみを入力します。そして、『Teruskan (続ける)』ボタンをクリックします。
ポップアップブロック
ポップアップブロックの解除の指示が出ます。とりあえず、『OK』ボタンをクリックします。
ポップアップ・ブロックの解除
利用しているブラウザによって異なりますが、ez.hasil.gov.my のポップアップを許可します。(画面はFirefox) 設定を変更した後、再び『Teruskan (続ける)』ボタンをクリックします。
Particulars of Employer [雇用者の詳細]
– Name Of Employer as Registered. [登録されている雇用者の名前。会社名。] オンライン上で変更不可。
– Employer No. [雇用者番号、通称Eナンバー] オンライン上で変更不可。
– Status of Employer [会社の種類] Kerajaan (政府), Berkanun (法定の), Swasta (プライベートセクター)から選びます。大抵の場合は、Swasta (プライベートセクター)に該当します。必須。
– Status of Business [ビジネスの状態] Beroperasi (操業), Belum Beroperasi (操業開始されていない), Dorman (休眠), Dalam Proses Pembubaran (解散のプロセス中) から選択します。必須。
– Income TAX No. [納税番号] 会社の場合は、通称Cナンバーと呼ばれる Cから始まる納税番号を入力します。
– Identification No. [身分証明書番号] 個人事業およびパートナーシップの事業形態の場合のみ入力。SDN BHD会社の場合不要。
– Passport No. [パスポート番号] 個人事業およびパートナーシップの事業形態の場合のみ入力。SDN BHD会社の場合不要。
– Registation No. with Companies Commision of Malaysia or Others [会社登録番号] SDN BHD会社の場合ここに入力。
– Correspondence Address [連絡先住所] 必須。
– Telephone No. [電話番号] 必須。
– Handphone No. [携帯電話番号] 必須。
– e-Mail [メールアドレス] 必須。
– Return of C.P.8D [報酬ステートメントの提出] Bersama Borang E (フォームEと共に), Melalui Data Praisi (データ), Cakera Padat (コンパクトディスク)
上記を埋めて『Continue』ボタンをクリック。なお、『Continue』ボタンをクリックすることで下書き保存されます。
Information On Number Of Employees [従業員数の情報]
1. Number of employees [従業員数]
2. Number of employees under the MTD scheme [MTD 源泉徴収スキームの従業員数]
3. Number of new employees [新しい従業員数]
4. Number of employees who ceased employment [雇用を停止した従業員数]
5. Number of employees who ceased employment and left Malaysia [雇用を停止しマレーシアを去った従業員数]
6. Has cessation been reported to LHDNM (if No.5 is applicable) [マレーシア内国歳入庁に報告されている] Ya (はい), Tidak (いいえ)
補足
PCB: Potongan Cukai Bulanan
(= MTD: Monthly Tax Deduction 月額税金控除)
LHDNM: Lembaga Hasil Dalam Negeri Malaysia
(= IRBM: Inland Revenue Board Of Malaysia マレーシア内国歳入庁)
上記を埋めて『Continue』ボタンをクリック。なお、『Continue』ボタンをクリックすることで下書き保存されます。
Information of Remuneration [報酬の情報]
Name of employee [従業員の名前]
Tax Reference No. [TAX 番号]
New I/C No./ Police No. / Army No. / Passport No. [ID No. またはパスポートNo.]
Total Gross Remuneration [総報酬額]
Tax Exempt Allowances / Perquisites / Gifts / Benefits [手当ベネフィットなど]
MTD [月額税金控除額]
CP38 [追加控除額]
補足
CP38: MTD以外に滞納を防ぐための追加控除
上記を埋めて『Continue』ボタンをクリック。
Declaration & signing [申告および署名]
– I [私、名前] オンライン上で変更不可。
– Identification No. / Passport No. [ID番号・パスポート番号] オンライン上で変更不可
– Designation [役職]
Print e-E Draft [オンライン・フォームEの下書きの印刷]
『Declaration & signing』 については下書き印刷に含まれませんが、『Sign & Submit』をクリックすることで保存されます。なお、提出した後は変更はできません。
Print Remuneration Statement Draft (CP8D) [報酬ステートメントの下書きの印刷]
『Sign & Submit 署名および提出』をクリックします。
Sign [署名]
Reference No. (ID No.) パスポート番号を入力
Password パスワードを入力
『Sign』ボタンをクリックします。
ACKNOWLEDGEMENT RECEIPT e-E FOR REMUNERATION [オンラインフォームEの受け取りの通知]
Print Acknowledgement [受取通知の印刷]
Print e-E [オンラインフォームEの印刷]
Print Remuneration Statement (CP8D) [報酬ステートメントの印刷]
Exit [退出]をクリックして、完了になります。
2016年からのForm-Eの提出は、オンライン e-filing のみでの申請となる見通しなので、マレーシアで事業を行う大企業ではない、小規模なビジネスであれば、自社にてオンラインの申請手続きを検討しても良いかと思います。
マレーシアでスムーズにビジネスを行うために、マレーシアでの商習慣やビジネスを知る上で良い練習になります。マレーシアでの商習慣や日本の違い、要領など解ってきますと、びっくりするほどマレーシアでも思い通りにビジネスが運ぶようになりますから。
昨年までは、税務署に提出に行っておりましたが、本日、2016年のBorang Eをon lineで提出致しました。こちらのサイトに出会えなければスムースには進まなかったと思います。助けて頂き有難うございました。
経理女子さん
コメントありがとうございます。今年提出する2016年度の Borang E (フォームE)は、今年からオンラインでの提出のみになっていますよね。参考になったご様子でとても嬉しいです。感謝のお言葉もありがとうございます。
ちょうど新しい会社のフォームEを提出しなければならず、申請方法に困っておりました。ありがとうございます。
コメントありがとうございます。最初は何の事だがさっぱり解らないフォームEも、実際に自分で提出してみると、すごく単純な事と、理解が深くなったのではないでしょうか。お役に立てて幸い。