マレーシア中古自動車セールスマンのコミッション

マレーシア中古自動車セールスマンのコミッション

マレーシアで起業する際に、参考にしたいマレーシアのローカルの商習慣。中古自動車のセールスマンのコミッション(歩合給)について、ちょっと裏側のビジネスのお話です。

マレーシアで中古自動車ビジネスをしているローカル会社の、セールスマンのコミッションの実態です。それぞれの会社によって特色はあると思いますが、中古自動車の業界、だいたい似たようなシステムとなっています。

とあるマレーシアの中古自動車の販売店のセールスマンのコミッションの場合ですが、ユニークだと思う点が幾つかあります。

ひとつは、セールスマンのコミッションの金額は、中古自動車の販売価格に応じて変わるのでは無く、(つまり、販売価格のパーセンテージによって決まるのでは無く)単純に中古自動車の販売台数によって決まるという点。この部分は、会社の方針が明確になっているところで、中古自動車の回転を良くしたいという意図がくみ取れます。

そして、一番気になる部分だと思いますが、実際のコミッションは実際いくらかという裏側の部分を公開すると、次の様になっていました。

ひと月の販売台数が1台販売する毎に、RM350/台
そして、7台目を超えると、RM400/台
さらに、10台目を超えると、RM450/台

ここから分かることも、会社としては中古自動車の回転を良くしたいと言う事になります。セールスマンからすると、顧客に高くふっかけて販売する必要は無いので、顧客と金額の駆け引きに時間を費やす必要は無く、中古自動車の価格の割引は、セールスのテクニックとして、顧客に購入の決断を促すための材料でしかないと言う事になります。今なら 10% OFF みたいな感じですね。

そして、ここが一番ユニークだと感じる部分なのですが、コミッションの権利は、セールストークを駆使して、接客するセールスマンでもなく、クロージングして中古自動車を売って成約したセールスマンでもなく、中古自動車の名義変更などを JPJ (陸運局) で手続きしたセールスマンでもないのです。

日本人視点だけでなく、マレーシア人視点においても、一般的には、クロージングして中古自動車を売ったセールスマンが、コミッションを得る権利があるのではと考えるところなのですが、コミッションの受ける権利は、顧客から電話で指名されたセールスマン、指名がなければ一番最初に対応したセールスマンになるのです。

これも、会社の方針が明確になっている部分で、成約したセールスマンよりも、見込み客を集めたセールスマンの方が会社にとって貢献しているという考えになります。

マーケティングの一般的なセオリーでは、見込み客を2倍にするのは大変だから、成約率を2倍にしようというのが一般的な考え方。だからこそ、逆に大変な見込み客を多く集めたセールスマンがコミッションを受ける権利を獲得するというシステムになっているのです。

この中古自動車を販売する会社の方針は、全てが一貫しているので見習う部分が多くあります。机上の論理を、実際のビジネスのシーンでどの様に活かすのか、それそれの考え方や現場に合わせているところなど、マレーシアでビジネスをする上で、参考にしたいところです。

そんな考察を、マレーシアで起業して実業家として活躍されている方に話をしたら、会社の規模、会社のステージによっても色々な考えもあるが、大切なのは相手の気持ちであり、世間の気持ちであると言っておられました。

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