クアラルンプール酒アルコール販売ガイドライン

マレーシアのクアラルンプールでの、酒・アルコール類を販売するためのリカーライセンス(酒類販売免許)は、2020年6月2日より新規発行が凍結されていましたが、2020年11月15日より新ガイドラインの下で、リカーライセンス発行が再開されることになりました。

 

新ガイドラインでは、クアラルンプール市内の全ての雑貨店や食料品店、コンビニエンスストア、漢方薬店では、2021年10月1日からハードリカー飲料の販売および購入が事実上禁止となります。(ビールはハードリカーとは区別されます。)

実際のところ、ハードリカーを楽しむ日本人の消費者にとっては、もともと販売禁止となる店舗で購入している人は、少ないと思われるので、影響は少ないと思われる。雑貨店などで、サムス(Samus)や強い安酒を小袋に入れて購入していた人には厳しいルールです。

ただ、ビールを購入できる時間は、午後9時までとなるので、気軽に買い物できた雑貨店やコンビニエンスストアでの購入は幾分不便となりそうだ。

 

クアラルンプールでアルコール類を販売する事業者にとっては、注意が必要です。一部の店舗の形態では、2021年9月30日までしかリカーライセンスの更新ができなくなります。

ハードリカーなどの酒類の販売を許可される施設と活動には、レストラン、パブ、バー、ホテル、複合商業施設、倉庫、スーパーマーケット、ハイパーマーケット、および酒類を提供するプロモーション活動が含まれています。

 

酒類を提供する多くの日系の飲食店には問題ない様に思われるが、下記に新ガイドラインを日本語に翻訳したものを載せておくので、更新手続きも含めて確認してもらいたい。

ライセンスの更新は可能であるものの、実際には更新が難しい部分もあるかもしれません。早めに準備しておく必要がある。

KLでのリカーライセンスの承認は3ヶ月に一度行われます。承認のための審議がキャンセルとなった場合、更に3ヶ月後の審議となる事も留意しておきたい。

また、前の記事『クアラルンプールで禁止された事業』にまとめたが、外国人による特定の20種類の事業について許可されない事になっている。

 

クアラルンプール市役所(DBKL)の酒類販売に関する新ガイドラインの要点

    • 食料品店、コンビニエンスストア、漢方薬店は、午前7時~午後9時の間に限り、ビールを販売する事が許され、他のノンアルコール飲料とは別の場所に置き、制限時間が過ぎた時点で閉鎖する事。
    • 卸売業者は、午前7時~午後9時までの間のみアルコールを販売することができる。
    • バー、パブ、ラウンジ、レストラン、ビアハウスでは、午前10時~深夜0時までの間のみアルコールを販売することができる。ただし、深夜2時まで酒類の販売を延長するための追加申請を行うことができる。
    • アルコールを販売する店舗は、警察署、礼拝所、学校、病院に面して営業することは許可されません。
    • 事業者は酒類ライセンス(Liquor License /リカーライセンス)を常に掲示する必要がある。青色ライセンスの場合、顧客の店舗内での飲酒が許可され、黄色ライセンスは「持ち帰り」での販売・購入のみが許可される。
    • イスラム教徒および21歳未満の顧客へのアルコール飲料の販売・提供は固く禁じられる。
    • 事業者は、顧客の飲酒の際は、運転手の確保やE-Hailingサービスの利用を奨励しなければならない。
    • 事業者は、「小袋」の形でのアルコール飲料の販売を禁止される。また、2020年12月15日から、クアラルンプールでは「サムス」や安酒の製造・販売・消費が禁止される。

 

 リカーライセンス申請ガイドラインと要件

酒類ライセンス申請のためのガイドラインと要件
クアラルンプール連邦直轄地

A. ハード・ドリンク・ライセンスのガイドライン

1. LMK (ハードリカーライセンス) を取得しなければならない活動の種類

1A) パブ・バー・ラウンジでの酒類の販売および提供
1B) レストランでの酒類の販売および提供
1C) 倉庫・店舗での酒類の販売および供給
1D) イベント・プログラムでの酒類およびビールの提供
1E) 小売店・コンビニエンスストア・漢方薬店での酒類の販売は、2021年10月1日より認められない。ただし、伝統的な薬のための目的の混合酒類・純粋な酒類は除く。

2. LMK (ハードリカーライセンス) の種類と許可される施設

2.A) 卸売業(卸売業者)

➢ 問屋・ストア・ショップハウス・複合商業施設。

2.B) クラス1公共家屋(公共家屋 パブ・バー・ラウンジ・レストラン)

➢ 店舗・ホテル・複合商業施設

2.C) 小売業

➢ スーパーマーケット/ハイパーマーケット/複合商業施設
2021年10月1日より、食料品店/コンビニエンスストア/漢方薬店のLMKライセンスの新規取得ができない。
小売店・コンビニエンスストア・漢方薬店にて利用可能なLMKは、2021年9月30日までの更新に限る。

2.D) 一時的なライセンス

➢ ビール・お酒を提供する販促・イベント活動。

3. ハードリカーを販売するための施設

3.A) 警察署、礼拝所、学校、病院に面する事はできない。

4. 時間制限の設定

4.A)  クラス1公共家屋(パブ・バー・ラウンジ・レストラン)

午前10時~深夜12時

LMK (ハードリカーライセンス)の延長の申請は、承認された興行センター区域内での興行活動時間の制限に基づき、酒類の販売時間の上限が深夜2時までに限り、申請することができます。

4.B) 卸売業(卸売業者)

午前7時~午後9時

4.C) ビアハウス

午前10時~深夜12時

4.D) 小売業(2021年9月30日まで)

酒類 午前7時~午後9時

4.E) 一時的ライセンス

一時的なライセンスは承認による

5. 申請者/ライセンシーは、非ムスリムにのみ許可されています。

6. 事業主は、非ムスリム(個人事業主/パートナーシップ)で構成され、取締役(会社)の過半数が非ムスリムでなければならない。

7. LMK 更新申請書 (ハードリカーライセンス)

➢ 申請者は、まず事業施設許可証を更新し、有効な事業施設許可証を提出しなければならない。

8. 免許証を事業所に常時表示し、施設入口にQRコードを表示する。

青 ・・・ 敷地内での飲酒可

黄色 ・・・ 持ち帰りのみ

9. 21 歳未満の来訪者にアルコールを飲ませないこと。敷地内入口にこの禁止事項の掲示をすること。

10. ムスリムの来訪者にアルコールを飲ませないようにすること。敷地内の入口にこの禁止事項の掲示をすること。

11. ライセンスの有効期限が切れる3ヶ月前までにライセンス更新申請書を提出しなければならない。

12. 酒類を「小袋」の形で販売することは禁止されている。

13. 施設内の清潔さと騒音防止を維持すること。

14. LMK (ハードリカーライセンス)では クラス1公共家屋の施設内にて酔っ払った顧客への指名運転手・e-hailingサービスを推奨すること。

B. WPKL (飲用酒類) ライセンス申請の要件

1. A copy of a valid premise license.
1. 有効な事業施設ライセンスのコピー

2. JPPPが設定した4つの主要な地元の新聞に掲載した12セクションの広告欄による酒類 (ハードリカー) の販売許可申請の通知

➢ マレー語の日刊新聞1紙
➢ 英語の日刊新聞1紙
➢ 中国語の日刊新聞1紙
➢ タミール語の日刊新聞1紙

i. 3日連続で投稿。
ii. 広告掲載フォーマットが指定されている。
iii. 設定されたサイズに応じた広告サイズ
iv. 広告掲載日、広告掲載ページ、申請通知の広告部分に印をつけた広告の全ページを提出すること。

3. 指定された仕様書に基づく申請者による LMK (ハードリカーライセンス) の申請を記載したA0サイズの通知書。

i. 施設の前での連続7日間の掲示すること。
ii. 掲示形式はJPPPにて設定される。
iii. 掲示を行う前に、JPPPから永久インクを使用した捺印と確認を受ける必要があります。
iv. JPPPによる掲示の監視期間

4. 申請者は、申請日時点で21歳以上の方に限り、申請者の身分証明書のコピー1枚を同封すること。

5. 申請者の写真4枚(パスポートサイズ)。

6. 酒類販売スペースの位置を示す内部と外観がわかる写真4枚(新規申請の場合のみ)。

7. 事業所の計画を示す立地計画書の写し1部。

C. 事業施設ライセンスの追加要件

1. 漢方薬店・コンビニエンスストア・小売店でのビールの販売(2021年10月1日より施行)

i. 午前7時~午後9時のみ

ii. 他の飲料とは別けてビールの販売・展示スペースにて供すること。

iii. ビール販売営業時間の終了後は、販売・展示スペースをロックすること。

iv. 18歳以上の購入者の年齢制限。

2. クアラルンプール連邦直轄領では、サムスの製造・販売・調達が禁止される(2020年12月15日より施行)

合わせて、クアラルンプールのリカーライセンスのガイドラインの原文についても確認される事もお忘れなく。訳文の誤りや改善点などありましたら、ご指摘頂ければと思います。

 

あなたの起業ライフが豊かなものでありますように♪

 

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