就労ビザ・エンプロイメントパス (EP) のキャンセル方法

マレーシアで起業して日本人を雇いますと、日本人社員の卒業を迎える時が来る時があります。会社卒業を祝える嬉しい気持ちと、社員が去ってしまう、さみしい気持ちが同居しますが、せっかくの門出ですから気持ち良く笑顔でく送り出してあげたいものです。

そのためにも、就労ビザ『エンプロイメント・パス (EP・雇用パス)』のキャンセル手続きは、ちゃんと行いたいです。

ごく普通に良い会社と超ブラックな会社ですと、このキャンセル手続きは、当然真っ当に行うのですが、海外にちょっと出たという事で足元浮ついてる方だと、退職する社員に意地悪して、この処理を行わないという話を耳にします。

辞めていく社員のために手続きする恩義は無いとか、マレーシア国内での再就職の邪魔をしたいという気持ちなのだそうです。でも、実は辞めていく社員を意地悪している様であって、不利益があるのは会社側なのです。

会社が EP キャンセルしないデメリット

エンプロイメント・パスは、社員が取得しているものでは無く、会社で取得しているものです。これが大前提です。

会社でエンプロイメント・パスを取得する人数枠が限定されているため、他の社員のエンプロイメント・パスを申請する枠が不足する事になります。

また、マレーシア国内での再就職を邪魔したいと思って、社員のエンプロイメント・パスのキャンセル手続きをしなくても、再就職はできてしまうのが現実です。

社員が会社辞めたいと願いを伝えて、会社の方で退職について認めないという形になります。つまり、前の会社のビザを所持したまま、他の会社に在籍している事になります。

エンプロイメント・パスの申請条件では、社員の月額給与を申請していると思います。しかし、エンプロイメント・パスをキャンセルしないと言うことは、ビザが切れるまでの期間について、給与を払わないでしょうから、申請した月額給与を支払わなかった実績として事実が残ってしまいます。

つまり、次に会社が社員のエンプロイメント・パスを申請する時の会社の信用が無い事になります。

また、エンプロイメント・パスのキャンセルについて費用が馬鹿にならないと考えている人もいるかもしれませんが、コンサルタントや業者を使う必要は全くありませんので、大した手数料ではありません。やってみると分かりますが、誰でもできる、ごく簡単な手続きです。

EP キャンセルに必要な書類

エンプロイメント・パス(EP)のキャンセルのために必要な書類は基本的には以下のものになります。イレギュラーな場合には、その他の書類を求められる事もありますが、代わりの資料を用意することで可能な場合もあります。

1.会社からのリリースレター
2.オリジナルのパスポート
3.パスポートのコピー(バイオデータページ含む)
4.フォーム DP11/DP11A
5.i-CARD (持っている場合)
6.30日以内の出国のチケット

よく聞かれる質問なのですが、出国のチケットは必ずしも日本である必要はありません。また、飛行機でも列車でも可能ですが、場合によっては拒否される事もあります。

なお、バスでのシンガポールに出国で、EPのキャンセル可能だった事もありますが、とてもハードルの高い交渉が必要です。イミグレーションのオフィサーを説得させるだけの交渉能力が必要です。バス出国でのキャンセルを許可されたらラッキーと考えた方が良いですね。

EP キャンセルの申請

エンプロイメント・パス(EP)のキャンセルを申請する場所は、その就労ビザが発給された機関になります。ESDMDeCMIDA などから発給されている場合が多いです。

パスポートに貼られているビザで確認できますが、わからないようであれば、Putrajaya にあるイミグレーションの ESD で確認する事ができます。ESDは、就労ビザに関する最初の窓口になります。


会社から退職する人を卒業を迎えると思って、日本に帰国する人やマレーシアで再就職する人を温かく見送ってあげたいものです。そして、退職する人を全社員で心からお祝いできるような素敵な会社にしたいものです。

なお、マレーシアから去る場合は、エンプロイメントパスのキャンセル以外にも、納税処理(タックス・クリアランス)を行う必要があります。お忘れなく。

「就労ビザ・エンプロイメントパス (EP) のキャンセル方法」への16件のフィードバック

  1. はじめまして質問がございます。
    1月5日に退職届をだし3月5日が最終日となっておるのですが
    パスポートを2月16日にEPキャンセルのために会社に預けましたが
    2月22日確認したところパスポートのEPキャンセルスタンプに10日間
    かかると言われております。

    EPキャンセルのスタンプにもじかんはかかるのでしょうか?

    1. Tokashiro さん

      コメントありがとうございます。

      EPのキャンセルに10日必要というのは、会社の準備にそれくらいの時間が必要ということではないでしょうか。会社側で準備して頂けるのは、とても助かりますね。

  2. 大変貴重な情報をありがとうございます。
    ビザキャンセルとtax clearanceについて、教えていただけないかと思い、書き込ませていただきます。

    実はこの度、体調が悪く現地採用で勤務していた会社を退職することになりました。二週間で急遽退職することになったのですが、会社から「ビザ申請時のサインをした責任者が不在なのでキャンセルができない、出国した後キャンセルする」と言われています。

    出国後にキャンセルはできるものでしょうか?

    また、taxに関して、「taxクリアランスの申請書類を持って、出国までに税務署に行き、その後は自分で税務署とやりとりするように」と言われています。HRによると、税金の計算は一週間後になるので、日本から自分で税務署とやりとりするようにと言われています。

    しかしながら、このtax clearanceが完了していない状況で、かつマレーシアに戻ってくるチケットを持ってない中で空港で出国はできるのでしょうか?
    手術日が決まっているので、なんとしてもそれに間に合わせたいと思っています。

    会社に日本人の責任者はいるものの、
    ビザやtaxは個人のことなので、ローカルHRが関わってくれるだけ有り難く思えと言われてしまい…
    誰も頼る人がいません。

    恐れ入りますが、この状態で出国できるのか、また出国後ビザキャンセルができるのか教えていただけないでしょうか?

    1. Yさん

      コメントありがとうございます。
      まずは、ご質問にお答え致します。

      マレーシアの就労ビザを「出国後にキャンセルはできるものか」ということですが、こちらは、就労ビザを取得している会社でキャンセルする事は可能です。ただし、出国後の就労ビザのキャンセルはおすすめ致しません。(後述)

      次のご質問、マレーシアから「出国はできるか」ということですが、こちら通常、問題なく出国すること可能です。マレーシアで就労ビザの有無に関わらず働いている方が出国するのと同様になります。(就労ビザ無しでの勤務については是非については別の話になります。)

      上記に回答した上で、補足説明させて下さい。

      就労ビザを出国後に会社側でキャンセルすることはできますが、こちら通常、会社から従業員が国外に逃げた想定したケースを考慮した目的で可能なキャンセル方法と思われます。

      そのため、システム上では就労ビザはキャンセルされているものの、パスポート上の、エンプロイメントパス (EP) については、キャンセルされていないので、再入国の際にトラブルになる可能性はあります。

      「ビザ申請時のサインをした責任者が不在なのでキャンセルができない」と言われたとの事ですが、仮に責任者が退職されている場合、その後就労ビザのキャンセルはできない事になります。そんな事は無いと思います。その代理となる責任者のサインで書類を作って頂くのが良いと思います。就労ビザに書かれている発行元に確認したと伝えて書類を用意してもらうのが良いと思います。

      TAXクリアランスを日本から行うのは現実的には難しいと思います。担当者のメールを入手することは不可能ではありませんが難しいケースが多いです。電話だけでの対応には無理があると思います。

      そのため、マレーシアでご友人などの代理人を立てることをおすすめします。または、早期にマレーシアに戻ってきて処理するなど考える必要はあると思います。

      なお、マレーシアへのリターンチケットは、就労ビザキャンセルおよびタックスクリアランスで必要はありません。就労ビザのキャンセルにて、マレーシアからの出国を証明するために日本行きなのでチケットが必要になるものです。

      ご参考まで。

      1. 駆け出し起業家さん

        迅速にご説明いただきまして、
        本当にありがとうございます!

        ビザの件は、明日HRに、他の人のサインでレターを発行してもらえないかお願いしてみようと思います。退職したわけではなく、二カ月くらい休みをとって国外にいるため、在籍はしており、ただ間に合わないというのがHRの言い分みたいですが…
        ただめんどくさいまたは、そのサインをした人との関係等を考えているのかもしれません。。。

        またtaxに関しても、ビザキャンセルができたできなかったに関わらず、
        1.友人にお願いする 2.再入国して手続きする 方向でいこうと思います。
        (おそらく追加納税ではなく、還付の方だとは思います)

        やはり私としては、再入国できるできないのが理由ではなく、お世話になったマレーシアにきちんと最後のマナーとしてビザもtaxも済ませたいと考えているのですが、、、
        なかなか会社と分かり合えない、でもその会社にサポートしてもらえないとできないところが悔しいです。

        1. Yさん

          ちょっと思ったのですが、退職されないのであれば、ビザのキャンセルもTAXクリアランスも必要ないと思いますが、如何でしょうか?再度、就労ビザを取得するのも大変かと思いますよ。

          そのため、通常の確定申告で宜しいのではと思います。

          会社側としては、戻って来ないことを危惧しているのでしょうか?その場合も、会社では就労ビザのキャンセルは可能です。会社側としては約束の期日に戻って来なかったらキャンセルすれば良いのではと思います。

          なお、TAXクリアランスは、会社側で資料を用意する必要ありますが、こちらは、本来個人で行うものです。

          状況から考えるに、ビザのキャンセルもせず、TAXクリアランスではなく、確定申告の方が良いと思います。ビザのキャンセルは退職の際、TAXクリアランスはマレーシアに滞在する予定が無い場合に必要になるものです。

          1. 駆け出し起業家さん

            アドバイスをありがとうございます。

            その方法も考えたのですが、
            私としてはこのタイミングで退職をしたいです。

            正直に話しますと、
            今回たまたま手術が必要な病気が見つかったのですが、もともと会社の日本人間の人間関係が悪く、毎日寝れなかったり胃が痛い日々が続いてました。また、お給料の支払いが三ヶ月も遅れたり、経費が急にきれなくなったり、、、他の日本人も鬱病で通院しており、みんなこんなもんだからと思って頑張ってきたのですが、手術と言われ、このままではけないと退職を決めました。

            なので、これを機にどうしても退職したいんです。

            せっかく別の手を考えていただいたのに、申し訳ありません。

            1. Yさん

              そういうご事情なのですね。ポジティブな未来に一歩踏み出す時が来られたのかなと思います。しばらく経てば、ご自身が精神的にも肉体的にも強くなっている事に気づく時が必ずきます。その経験を活かし、問題点を改善する世の中を是非つくっていきましょう。機会があれば、是非起業でもして頂ければと思います。

  3. 確かに担当者で言うことが違うことが多々あるので、できればなるべく多めの方にアドバイスをもらってこようかと思います。

    現時点でタックスクリアランスしても、そこには1月分の収入が含まれていないわけで、再入国後に行う方が税務署にとっても確実な気もするのです。
    ただ最後の給料が振り込まれる前にマレーシアを出国される方もいるのも事実なので、その辺りについてもLHDNにアドバイスをもらおうかと思います。

    また新しい情報が得られたらここでシェアさせてください。
    ありがとうございます。

    1. Motoki さんは、自ら情報を収集でき行動力があり優秀な方なんだとお見受けしました。その辺にいる私を含めた経営者なんかより、間違いなく仕事ができますよ。

      機会がありましたら、近い将来にでも是非、起業してみて下さい。

      時々、タックス・クリアランスで困っている方がいると言う話を聞く事があります。そんな方々のためにも、得られた情報をシェアして頂けますと幸いです。

      ということで、影響を受けまして、こちらに、タックス・クリアランスについて記事を書いてみました。

  4. 再入国後はマレーシア以外の東南アジア諸外国で就職活動を展開する予定です。
    まだコンドミニアムの契約が残っているので、マレーシアの家を拠点にするほうが都合がよいので、再入国しようと考えています。

    所得税については非居住者のときに払っている最高税率のものをリファンドしてもらっていないので不足しているということはないのですが(むしろ過払い分を取り返さないといけない)、再入国時に揉めるリスクがあるのであれば排除しおきたいので、急いでタックスクリアランスの処理をしないといけないなと思っています。
    HRがどれくらい速くCP21を用意できるのかにもよるのですが。。。

    過払い分の取り戻すためのタックスクリアランスが、もしくは例年のタックスデクラレーションが、再入国後にでもできるのであれば、今急いでする必要はないのですが、これも念のため週明けにLHDNに確認しないといけないと考えています。

    1. マレーシアに居住しながら、近隣諸国で就職を予定しているとのことですね。タックスクリアランスしておいた方が良いのは言うまでもないですが、状況を考えると、現時点ではタックスクリアランスしなくても問題ないかと思いますよ。税務署の方で納税の状況を確認するのにも、時間が必要ですから。。。でも、ご自身で的確に判断して下さいね。(税務署でも担当者によってアドバイスは異なります。)

  5. 情報の絶対数が少ない中で最新の情報、すごく助かります。
    もしご存知でしたら教えていただけると助かるのですが、EPキャンセルにあたってTAX Clearanceは関連しないのでしょうか。
    私はEPキャンセルして一旦出国しますが、1ヶ月後に再入国しますので、出国前にするかっ再入国後にするべきかで悩んでいます。
    (週明けにでもLHDNに電話して確認しようかと思っていますが、もし確実な情報を御存知でしたら、と思いまして。。。)

    1. コメントありがとうございます。エンプロイメント・パスのキャンセルについては、タックスクリアランスの必要性はありません。

      しかし、エンプロイメント・パスとは別にタックスクリアランスを行う必要があります。こちらを行わないと再入国を拒否される可能性があります。特にMTD(PCB)の支払いが不十分であれば、税金を収めなければなりませんので、こちらは問題になります。

      多く払っているようであれば、税金の還付はありませんが、多く納めているので再入国で問題になる可能性は無いと思われます。なお、タックスクリアランスレターを入手するには、2週間から1ヶ月掛かる場合もあります。(それ以上掛かる事もあります。)

      基本的には、ビザのキャンセルと同時にタックスクリアランスを進める方が好ましいです。ご参考まで。

      1. 貴重な情報ありがとうございます!
        出国前にタックスクリアランスが完了できるように進めてみます!

        1. ご参考になれば幸いです。なお、再入国の目的は何でしょうか?マレーシアで再就職や起業するのであれば、引き続き納税されると思いますので、タックスクリアランスは必要ないのではと思います。

コメントを残す